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臨床工学技士
沢 桓
1
1前・日本臨床工学技士会
pp.737
発行日 1996年10月15日
Published Date 1996/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104625
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1.臨床工学技士法制定までの経緯
20数年ほど前から医療の進歩に伴って,国家資格は持たないが,人工心肺,手術室,ICU,高気圧酸素治療,透析などの業務に従事する技士が,それぞれの診療科に所属する形で働くようになり,その数は次第に増加して行った.中でも透析技術の急速な進歩と健康保険適用により,1970年代後半頃から多数の慢性腎不全患者が週3回の通院による維持透析を受けられるようになり,透析患者の数は急激に増え,それに伴って透析技士の数も急増した.
そのような状況にかんがみ,それら各種の技士達をまとめる形で1988年に制定され発足した新しい国家資格が臨床工学技士である.その数は1996年の第9回国家試験終了時点で11,428名であり,今後毎年600名強の増加が見込まれる.しかし臨床工学技士は誕生して間がないのでその知名度は低く,病院関係者でもその存在を知らない者が未だにおり,ましては一般市民でその存在を知っている人は極めて稀である.
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