書評
―秋元成太/西村泰司(編)―泌尿器科ベッドサイドマニュアル
小野寺 昭一
1
1東京慈恵会医科大学泌尿器科
pp.168
発行日 1996年3月15日
Published Date 1996/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104497
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臨床医学としての泌尿器科学の多様性については,改めて指摘するまでもないが,最近の泌尿器科学における新しい画像診断法の普及や治療法の目覚ましい進歩は,結果として膨大な量の情報を生み出すこととなり,泌尿器科専門医をめざすものにとって,増え続ける情報をいかに整理していくかが大きな課題となっている.一方で,第一線の泌尿器科臨床医あるいは専門医として知っておかなければならない基本的な診察法や処置の“コツ”も数多くあり,これらの技能をいかにして覚えていくかということも重要な問題である.このような,教科書や文献からだけでは会得することができない臨床医としての“ワザ”は,先輩のやり方を見よう見まねで覚えるか,あるいはマニュアル的な本を読んで身につけていくしかないが,正しい技法を学ばないと自己流に陥ってしまう危険性をはらんでいる.
これまで,泌尿器科診療マニュアル的な本はいくつか出版されているが,研修医あるいはレジデントが白衣のポケットに入れて持ち運ぶことができ,外来の急患の処置や病棟での対応に困った時に本当に実践的な面で役に立つマニュアルは少なかったように思える.
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