Japanese
English
特集 疼痛
急性疼痛と理学療法
Pain: Physical Therapy for Acute Pain
浦辺 幸夫
1
,
川口 浩太郎
1
Yukio URABE
1
,
Kotaro KAWAGUCHI
1
1広島大学医学部保健学科理学療法学専攻
1Department of Physical Therapy, Faculty of Health Science, Hiroshima University School of Medicine.
pp.168-174
発行日 1995年3月15日
Published Date 1995/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104238
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Ⅰ.緒言
理学療法はさまざまな効果を期待して行なわれるが,目的によって簡単な項目に分類すると表1のようになる.これらの項目はいずれも単独に解決されるのではなく,それを主な目的におきながらもグローバルにあるいは全方位的視点からの理学療法で改善されるのである.この意味から相互の項目がリンクしていることを前提として理学療法を行なうべきことが原則となる.
本論文のテーマである痛みに対する理学療法についても同様である.痛みがあると身体の運動にも大きな影響がもたらされる.図1に痛みが身体機能にもたらす悪影響について考えられるものを表わした.先の表1のほとんどの項目と痛みがリンクしてくるのがいっそう明確にわかるだろう.
筆者らは数年来スポーツ外傷の理学療法に携わってきた.そのなかで急性外傷に伴って発生する痛みを如何にコントロールするかが,スポーツ復帰までの期間やそのタイミングに関係し競技成績を左右することを目のあたりにしてきた.また,スポーツ選手が医療機関を訪れる第一の理由が「痛み」であることも事実である.本論文では,急性疼痛と理学療法と題してわれわれがスポーツ現場でどのように痛みに対処しているかを紹介しつつ,理学療法の在り方を再考したい.
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