報告
スポーツ外傷後の大腿四頭筋筋萎縮の一考察―MRIによる検討
市橋 則明
1
,
三宅 裕子
2
,
川原 勲
2
,
伊藤 浩充
3
,
石川 齊
1
1神戸大学医療技術短期大学部理学療法学科
2石川病院
3神戸大学医学部附属病院理学療法部
pp.205-207
発行日 1994年3月15日
Published Date 1994/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103968
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Ⅰ.初めに
下肢のスポーツ外傷後のリハビリテーションにおいて大腿四頭筋筋力の回復は最も重要視され,健側比や体重比を測定評価することによって,競技への復帰の目安とされることが多い.しかし,臨床では筋力は回復しても筋萎縮が残存している症例をよく経験する.随意最大筋力は,神経的因子と筋断面積とに影響され,筋力強化訓練中は,神経的因子が高まった状態にあると言える.しかし,競技に復帰し筋力強化訓練を中止すると神経的因子は普通の状態に戻り,筋断面積の影響を強く受けると考えられる.そのため筋力だけでなく,筋断面積の評価は重要である.今回,スポーツ選手2症例に対してMRIにて大腿四頭筋の各筋の筋断面積を測定し,若干の知見を得たので報告する.
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