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Ⅰ.緒言
今日,膝関節疾患との関連において,大腿四頭筋訓練の重要性については,多くの人の認めるところとなっている.大腿四頭筋訓練の理想は,膝関節支持滑走機構に損傷を与えることなく,早期にその筋力と膝関節の運動を回復させることにある.すなわち,①Setting②Active assistive exercise,③Straight-leg-raising,④Active exercise,⑤Resistive exerciseなどの訓練を有効,かつ適切に行わしめることが重要である.しかるに,初期訓練法におけるsettingは,患者の習得が困難であり,また,active assistive exerciseは,いずれも患者が随時行えず,従って,訓練時間が限られるうらみがある.そこで,われわれは,第11回日本理学療法士学会において,まず大腿四頭筋初期訓練法としては,このsettingとactive assistive exerciseを合わせ行うことができるバネ式四頭筋訓練法を紹介し,特に内側広筋訓練の重要性を強調した.すなわち本法は,springによるknee suspensionを行い,足部をベッド上で滑走させながら膝を伸展する方法で,四頭筋,特に内側広筋の筋力不足を股関節伸展筋が補って,膝の終末伸展を可能にする一種のactive assistive exerciseである(図1).本法によってsettingが容易に習得でき,早期に膝のactive terminal extensionが可能となり,スムーズにstraight-leg-raisingに移行できる.
今回は,本法を含めて大腿四頭筋初期訓練法の効果を筋電図学的に分析し報告する.
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