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特集 福祉機器
4.外出の手段
Technical Aids. 4: Technical Aids for Outdoor Mobility
藤井 直人
1
Naoto FUJII
1
1神奈川県総合リハビリテーションセンター研究研修所研究部リハビリテーション工学研究室
1Rehabilitation Engineering Department, the Kanagawa Rehabilitation Institute, Kanagawa Rehabilitation Center.
pp.603-606
発行日 1992年9月15日
Published Date 1992/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103585
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Ⅰ.初めに
1981年の国際障害者年を契機として,「完全参加と平等」の考えかたが障害者にも理解され,積極的に社会に参加する障害者が増加してきた.一方,高齢者人口は急速に増加し,身体に障害のある高齢者も同時に増加することが予測される.しかし,現在の公共交通機関,道路事情は高度経済成長に合わせ,効率的な大量輸送に焦点が当てられて整備されてきた.したがって,障害者,高齢者が積極的に社会参加することを試みてはいるが家の外にでるとすぐに障害に囲まれてしまうのが現状である.
しかし,福祉政策(福祉の町づくり)をはじめ,障害者自身の運動(パーフェクバスを走らせる会),障害者の社会参加を助けるボランティアグループ(民間移送ボランティアグループ)が現実的な対応を行なってきている.公共交通機関では1991年4月に東京では超低床式路線バスが,11月には大阪市でリフト付き路線バスが就航した.しかし,まだ社会交通システムに正式に組み込まれてはいない.したがって,それぞれの交通手段は組織化されておらず障害者,高齢者にとって信頼できる外出手段とはなっていない.
「移動に制約のある人たち」とは,
①肢体不自由による移動困難者
②視覚,聴覚障害によるコミュニケーション障害者
③高齢者や幼児
④その他一時的な障害者
などが挙げられる.本報告では1)肢体不自由による移動困難者を中心に進める.
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