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特集 老人保健施設の理学療法
中間施設としての老人保健施設の位置付け
Physical Therapy in the Health Institution for the Aged: A Study on Relation between Extended Care and Community Care Policy for the Aged
小山 秀夫
1
Hideo KOYAMA
1
1病院管理研究所
1The National Institute of Hospital Administration, Ministry of Health and Welfare.
pp.214-218
発行日 1990年4月15日
Published Date 1990/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102985
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Ⅰ.老人保健施設制度の創設
1988年4月1日より,老人保健施設制度が本格実施された.老人保健施設は,寝たきり老人などの要介護老人に対して,医療サービスと日常サービスとを併せて提供する中間施設として創設された.我が国の老人に関する施設・施策体系全体を考える場合,老人保健施設は拡大するニーズや財政的負担に対する対応として,また老人施設体系再編成の切り札として議論され,立案されてきたということを,明確に認識する必要がある.
老人に対する中間施設の議論は,かなり以前から存在し,高齢化社会を迎えた国々で広く議論されてきた歴史がある.ただし,老人保健施設議論の端緒は,1985年1月の社会保障制度審議会の「老人福祉の在り方について」の建議であった.この建議では,病院と特別養護老人ホームとは別の中間施設の必要性が主張された.厚生省は,この提言に対して「中間施設懇談会」を設置し,同年8月に中間報告を公表した.その内容は,要介護老人対策として,在宅型と入所型の中間施設を体系的に整備する必要性を明らかにし,費用負担については,公費のみに依存するのではなく,保険財源を導入し,適切な利用者負担を原則とする考えかたが示された.
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