短報
慢性関節リウマチにおける脛骨の後方亜脱臼について―大腿四頭筋筋力と膝関節移動比の検討を中心として
福迫 剛
1
,
石峰 昌雄
1
,
俵積田 光宏
1
,
松元 義彦
1
,
泉原 智麿
2
,
松田 剛正
2
1鹿児島赤十字病院理学診療部
2鹿児島赤十字病院
pp.117-118
発行日 1990年2月15日
Published Date 1990/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102955
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Ⅰ.初めに
慢性関節リウマチ(以下,RA)の膝関節では,発症初期の症例でも,脛骨の上端が後方に落ち込んでいる“脛骨の後方亜脱臼”を呈していることが少なくない.
臨床では,RAのコントロールが良好であっても,膝関節の脛骨上端の後方落ち込みが高度であるほど膝関節伸展時に疼痛が生じやすく,大腿四頭筋筋力の改善も思わしくなかった.このようなことから,膝関節の脛骨上端の後方落ち込みが膝関節の疼痛や大腿四頭筋の筋力に深く関与しているのではないかと考えた.そこで今回,RA患者13例(24膝)を対象に大腿四頭筋筋力と膝関節の脛骨上端の後方落ち込み(膝関節の移動比)とを調べ,若干の知見を得たので報告する.
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