Japanese
English
特集 医療事故
理学療法部門における事故
Medical Accident: Accident in Department of Physical Therapy
糠野 猛人
1,2
,
成瀬 進
1
,
三木 晃
1
,
藤吉 健司
1
,
吉尾 雅春
3
Takehito NUKANO
1,2
,
Susumu NARUSE
1
,
Akira MIKI
1
,
Kenji FUJIYOSHI
1
,
Masaharu YOSHIO
3
1有馬温泉病院
2協立温泉病院
3協和会病院
1Arima Onsen Hospital.
3Kyowakai Hospital.
pp.527-532
発行日 1989年8月15日
Published Date 1989/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102827
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Ⅰ.初めに
最近,新聞などで医療過誤や医療事故が多く取り上げられ,医療界に大きな波紋を投じている.医療事故問題は約30年前から徐々に生じてきたことであるが,特に近年,国民の医療知識レベルが向上し,医療への権利意識も強くなるに従って急増してきた.
患者の健康上の権利をできるかぎり守っていくことは,医療人にとって不可欠な姿勢である.しかしその反面,自らの立場を保護しようとするため,事故を公にしたがらないことも事実である.このことは,理学療法の分野でも認められることであり,われわれの分野において事故に関する本格的な研究がなされていない大きな理由である1).このようなことから,事故防止に当たっては,個人的かつ経験的なものに頼らざるをえず,不幸な事態が避けられていないのが現状である.
有馬温泉病院では,事故を未然に防ぐことを目的に,院内で起こったすべての事故の報告書を作成し,反省を重ねてきた.今回,それらの事故報告書を基に理学療法部門の事故の実態を調査検討したので報告する.
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