特集 下肢機能再建と理学療法
脚長差是正,脚延長後の下肢機能再建と理学療法
髙橋 雅人
1
Masato Takahashi
1
1東京大学医学部附属病院リハビリテーション部
pp.1007-1013
発行日 2011年12月15日
Published Date 2011/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102134
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はじめに
四肢の延長は近年めざましく普及し,大学病院や小児病院だけでなく一般病院でも実施可能となっており,賛否は別として美容目的の延長も行えるようになってきている.
現在の延長術は一旦,骨を切り離し,両端の骨をワイヤーやハーフピンで体外の延長器と連結し,適切なタイミング・速度で緩徐に引き離していくことによって延長部に骨を形成していく緩徐延長法であるが,これは1950年代にロシアのIlizarovの発見によりもたらされた.1986年に西側諸国に紹介された彼の原理はdistraction histogenesis1)と呼ばれ,創外固定器によって生じる牽引力を利用して組織形成を促すというものである.単純な骨延長だけでなく骨欠損部の補塡や変形矯正にも用いられ,創外固定器を用いた治療の根幹を成している.
本稿では,加齢に伴う変形性疾患以外で脚長差や骨変形を生じる疾患における,創外固定器を用いた脚長是正・脚延長術の方法を紹介し,その下肢機能再建のための理学療法のポイントについて述べる.
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