特集 画像を活かした脳損傷のケーススタディ
理学療法士に必要な脳機能解剖学と画像の知識
小柳 靖裕
1
Yasuhiro Koyanagi
1
1新日鐵八幡記念病院
pp.739-747
発行日 2010年9月15日
Published Date 2010/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101743
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はじめに
脳は形態学的には表面を覆う灰白質とその内側にある白質からなり,その構造は比較的単純である.しかし機能的には多彩で複雑な様相を呈し,現代科学をもってしても解明できない部分は多い.最近では色々な物理信号を用いた測定法が確立し,脳の構造・機能を画像解析することが可能となり,臨床応用が盛んである.中でもCT・MR画像診断は脳損傷の診断や予後,治療方針の決定に不可欠なツールとして確立しているが,その情報を理学療法士が臨床で応用するためには脳局在性を理解した機能解剖学的な知識と脳画像を読影する知識が必要であり,大きな課題となっている.
本稿では脳の機能解剖および臨床における脳画像のみかたについて解説し,リハビリテーション部門での活用意義について検討する.
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