書評
―Brukner P,Khan K(著)籾山日出樹,他(監修)―「臨床スポーツ医学(Clinical Sports Medicine 3rd Edition)」
浦辺 幸夫
1
1広島大学大学院保健学研究科
pp.525
発行日 2009年6月15日
Published Date 2009/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101431
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本書「臨床スポーツ医学」の原著である「Clinical Sports Medicine」は,スポーツ医学の分野ではゴールドスタンダードとなっている書籍です.日本語版の元となった第3版は2006年に発行されましたが,それほど時をおかずに日本語訳が完成したことに,大いに敬意を表したいと思います.
スポーツ外傷・障害のリハビリテーションは大きな発展をとげています.どのような医療機関でも,統一された水準で医療を提供するためには,このような書籍による情報提供が必要なことは間違いありません.1980年代以前のスポーツ医学の啓発書,1990~2000年代の専門的な技術書を経て,本書ではスポーツ医学全般を俯瞰しながら,クリニカルリーズニングに則ったうえで,スポーツ医学の手法,問題点,そして展望について解説しています.その意味で,斯界の第3世代の書籍ということができると思います.疼痛への対応や筋・骨格系の諸問題への対応については,これまでの成書の域を抜け出した内容となっています.
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