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編集後記
吉尾 雅春
pp.378
発行日 2009年4月15日
Published Date 2009/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101404
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「Stop the地球温暖化!」が叫ばれる中,札幌のこの冬の雪は例年になくベタ雪が多かった印象があります.気温が-7度以下になると,雪を踏み込む時にキュッキュッと鳴るあの心地よい音が,この冬に限ってはザクザクという音に支配されてしまったようでした.温暖化は明らかに深刻に進んでいる印象を持たざるを得ませんが,人間はいい気なものです.春が早く来て,ひとたび桜が咲いてくれれば,そのような深刻な思いはもうどこ吹く風.気持ちは前向きに動き始めます.それにしても,伊豆の河津桜は2週間も早く咲いて,桜祭りのど真ん中にあたる3月上旬には既に葉桜だったとか.ソメイヨシノの桜前線も平年より2週間も早くスタートしたそうで,観桜会と新人歓迎会とをセットで企画されている幹事さんたちは,計画の修正を余儀なくされているのかもしれません.
今年の新入生や新卒者の状況はどうだったのでしょうか? このところ,後ろ向きの話ばかりが耳に入ってきて,気になるところではあります.就職試験を受けに来た人たちを見る限り,魅力的な若者が結構多いな,という印象ではありました.年間の入学・卒業者数の急増は,そのような印象を掻き消すに十分な社会の中の事実です.一定の量の確保は質を保障する上でも大切な条件になりますが,内容的な質を保障したい時に,それに耐えうるだけの機能や能力を備えていなければ,うまく展開しないかもしれません.発想力としたたかな戦略と行動力を持ちうる人材が欲しいところです.
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