入門講座 実践―基本統計学のQ&A・3
例題から考える統計の基本―検定・推定における理解のポイント
関屋 曻
1
,
高橋 正明
2
Sekiya Noboru
1
1昭和大学保健医療学部理学療法学科
2群馬パース大学理学療法学科
pp.773-780
発行日 2008年9月15日
Published Date 2008/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101254
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統計学には記述統計学のほかに推測統計学という領域があり,この中には検定と推定が含まれます.記述統計学が集団のすべてのデータからその集団の特性を明らかにしようとするのに対し,推測統計学は集団の一部のデータを用いて集団全体の特性を明らかにしようとする方法です.推測統計は,一部の対象を調べるだけで集団全体の特性を把握できるため,たいへん便利な方法で,社会学,心理学,農学,薬学,医学,工学など,様々な分野で用いられています.しかし,独特な論理と数学で構成されているため,高等数学を修めていない人にとってはわかりにくいものになっています.また,コンピュータとソフトの発達で,計算そのものは簡単に誰にでも行えるようになってきましたので,たいへん便利ではありますが,適用を間違えると有害な結論を導く可能性もあります.本稿では,検定や推定を行ったり,研究報告を読み聞きしたりする時に持つことが多い疑問について,できる限りわかりやすい解説を試みます.
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