症例報告
脳性麻痺児の機能的動作獲得のための理学療法―学校生活に必要な机上動作の自立を目指して
川原田 里美
1
,
横山 恵里
1
,
秋元 真樹子
1
,
青山 香
2
Kawarada Satomi
1
1青森県立あすなろ学園
2弘前大学医学部附属病院
pp.814-817
発行日 2003年9月1日
Published Date 2003/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100894
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障害をもつ子どもと家族は,新しいことに挑戦するときや困難に遭遇したときに,より多くの支援を必要とする.今回,普通学校への入学を希望する脳性麻痺児を担当し,学校生活への適合のために机上動作の自立を目標とした理学療法を行った.従来から,日本では,「~法」といわれる各種治療法を用いてimpairment(以下,機能障害)レベルの問題点を解決することで,様々な動作が獲得できると考えられている.しかし,子どもと家族への支援を進めていく中で,日常生活で使える機能的な動作を獲得するためには「どのようにしたら可能になるか」という子どもと家族の成功体験に焦点を当てた理学療法が必要だということがわかった.
筆者らはこの経験を通して,発達障害をもつ子どもの理学療法に対する考え方を変革する必要性を感じ,多くのことを学ぶことができたので報告する.
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