特別寄稿
精神疾患と理学療法―デンマークでの体験
山本 大誠
1
,
奈良 勲
2
,
岡村 仁
2
Yamamoto Taisei
1
1広島大学大学院医学系研究科博士課程後期保健学専攻
2広島大学医学部保健学科
pp.63-68
発行日 2003年1月1日
Published Date 2003/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100770
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日本では理学療法士の数が増加し,理学療法業務は多岐に及んでいる.その中でも研究に関わる理学療法士が増え,研究の発展に伴い科学的根拠に基づいた理学療法を行えるようになってきた.しかし,理学療法の研究分野では精神病者を対象とした研究は非常に少ない.
2001年広島市で開催された「第36回日本理学療法学術大会」では,精神病者を対象とした演題がいくつか発表された.また,近年では精神疾患に関する特集が「理学療法ジャーナル」などにも取り上げられるなど(34巻6号),精神疾患にかかわる理学療法の関心が高まってきたといえる.しかし,それらの内容は身体的な問題点に着目しており,精神病者の身体的な健康,体力の増進,あるいは肥満症や糖尿病などの2次的な合併症に対する理学療法がほとんどである.精神病者の身体的健康は非常に多くの問題を抱える分野でもあり,健康管理などの観点から,これらの問題に対する理学療法は非常に重要といえる.
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