先輩からのエール
心の支え三脚(棒)支持とストレスをつまみに
瀧野 勝昭
1
1帝京大学医学部附属病院 リハビリテーション部
pp.206
発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100442
- 有料閲覧
- 文献概要
人は通常2本の脚で身体を支え,移動している.2本の脚は腕と比較して太く逞しい.しかし身体の二脚支持は水平方向から外力が加わったとき,両脚が接近していればいるほど前後左右からの力のいずれにも弱い.前後に開脚していれば横からの力には脆い.左右の開脚では前後からの力に弱点を持っている.三脚,四脚,それ以上の多脚であれば二脚より水平外力に対応力が優れている.しかし四脚以上の多脚は,脚の長さが同一であれば,地面が凸凹の場合いずれかの脚が地面に接触せず不安定になるものだ.それでは三脚はどうだろうか.支持面が不整地であっても必ず全ての脚は着地している.カメラの三脚が良い例で安定した状態で映写機を支えている.
人の心も同様で,職業を全うしてゆくには心の支えをもつと安定した仕事の一助となるのではないかと思う.私は何時も心の支えとして三脚支持が優れていると思い,脚を棒に置き換えて次の「3つのボウ(棒)」を心に刻んでいる.第1に希望,第2に予防,第3に辛抱である.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.