講座 運動学の定説を問う・3
仙腸関節はどれだけ可動するのか
竹井 仁
1
Takei Hitoshi
1
1首都大学東京健康福祉学部理学療法学科
pp.477-486
発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100321
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はじめに
仙腸関節は骨盤の中央に位置し,体幹と下肢をつなぐ重要な関節である.それゆえに,脚長差や腰椎椎間関節・腰仙関節・寛骨・恥骨結合などのアライメント異常などによって,仙腸関節にストレスを生じて機能異常を起こす可能性は否定できない.実際に,仙腸関節の機能異常を評価する方法や治療方法も各種提唱されてはいるが,腰痛の原因の多くが仙腸関節由来のものだというには解剖学的・運動学的に根拠が乏しいと思われる.
本稿では,仙腸関節を中心に現在支持されている解剖学的・運動学的な資料を提供する.仙腸関節の動きが関与する運動における運動学的分析や治療方法に関して,科学的・多角的に考察する一助にしていただきたい.
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