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文献抄録
脳卒中患者における垂直性の認識と姿勢制御
Perception of vertical and postural control following stroke:a clinical study
武井 圭一
1
1健康科学大学健康科学部理学療法学科
pp.244
発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100276
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目的:脳卒中の理学療法では,姿勢調節障害の改善を目的とすることが少なくない.姿勢調節障害は空間認識の低下が主要因といわれており,垂直性の内部表出が重要となる.本研究の目的は,脳卒中患者における主観的視覚垂直性(subjective visual vertical:SVV)の傾きと体幹アライメントの関係を明らかにすることである.
方法:対象は,12名の脳卒中患者(平均年齢71±11歳,罹患日数10~180日)であり,脳卒中や斜視,めまいの既往,バランス能力が顕著に低下している者は除外した.また,9名の病院職員および患者関係者(平均年齢62±6歳)を対照群とした.帰結評価として,SVV,体幹アライメント,およびpusher現象の有無の3項目を測定した.SVVの測定方法は,対象者に座位をとらせ,2.5m離れた前方に2cm幅の直線を引いた直径50cmの円型画面を用意し,注視させた.その直線を検者が回転させ,対象者が垂直と感じる位置で止め,その時の傾斜角度を測定した.10回測定し,その中央値を代表値とした.体幹アライメントは,対象者の座位姿勢を垂直,右傾斜,左傾斜に分類した.また,立位保持が可能な者は,立位についても同様に評価した.統計解析には,Mann-WhitneyのU検定を用いてSVVの群間比較を行い,続いてSVVと体幹アライメントの相関を分析した.
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