理学療法の現場から
理学療法と感情―私たちは感情をどのようにあつかってきたのでしょうか?
富樫 誠二
1
1広島市立安佐市民病院リハビリテーション科
pp.68
発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100012
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朝早く出勤してモーニングコーヒーを飲んでいると,いつものように外来ロビーから患者さんたちの楽しそうなにぎやかな声が聞こえてきます.従来から非言語的コミュニケーションの重要性は指摘されています.顔はわからないけどその声の抑揚やトーンで,その人の感情は解読できます.きっと顔を見ればその表情・緊張感や姿勢から,もっとはっきりとその感情は伝わってくるだろうなぁ.つくづく感情の大切さを感じます.そして臨床という海の中で,感情という波をあるときは抑制し,あるときは表に出しながら必死に泳いできた自分を想い浮かべます.そこで,日頃から考えている感情と理学療法について述べてみたいと思いました.
理学療法は,感情をどのようにあつかってきたのでしょうか? 理学療法士(以下PT)は,行動に先行し,または行動の結果から生起される感情という人間本来の現象をどのようにあつかってきたのでしょうか?また,ストレスやバーンアウトに関係しているこの感情というものを,組織(病院や施設)は,組織マネジメントの面からどのように考えているのでしょうか.私は,PT個人も組織も感情というものをあまり考えていないような気がしています.
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