技術講座 血液
末梢血からの白血病診断
稲垣 恵章
1
,
浅井 正樹
1
1名古屋大学医学部附属病院検査部
pp.687-694
発行日 1994年8月1日
Published Date 1994/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906582
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サマリー
末梢血検査から白血病を見つけることは,白血病の早期発見と早期治療に大変重要である.特に小児の急性リンパ芽球性白血病(acute lymphoblastic leukemia;ALL)では,初診時の白血球数(多いと不良)と年齢(高齢は不良)が重要な予後因子といわれている1).急性白血病の再発症例では,白血球数が1日で倍近く増加する例もあり.急性白血病が疑われたら至急臨床側に連絡を取り,診断が確定しだい1日でも早い治療が行われることが必要である,ここでは末梢血データからの白血病の早期発見と鑑別を中心に,末梢血から得られるスクリーニング情報,①血球計数値数,血球の粒度分布,散布図,②末梢血液像と末梢血からできる鑑別診断検査としての細胞化学染色,③細胞表面マーカー検査についての注意点と,各データから白血病の予測診断(検査室診断)の可能性について述べた.
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