増刊号 臨床血液検査
III.血液病理検査
1.組織学的検査
2)リンパ組織—免疫染色in situ hybridizationを中心に
三方 淳男
1
,
田丸 淳一
1
1千葉大学医学部第一病理学教室
pp.371-376
発行日 1991年6月15日
Published Date 1991/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906569
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はじめに
一般病理組織検査において,リンパ節生検材料を見る機会は多い.これは,リンパ節腫脹として採取されてくるわけであるが,リンパ節は生体防御器官であって,リンパ節腫脹はその機能発現のあかしといえよう.ウイルス,細菌などの病原微生物の侵入や膠原病を含む全身性疾患に見られるリンパ節炎・リンパ節症,さらに悪性リンパ腫,そして悪性腫瘍の転移など,その原因は幅広い.
リンパ節腫脹をきたす疾患を思いつくままに列記すると,表のようになる.これらの数多くの疾患の中から的確な診断を下すことが病理組織検査の目的であり,それは病理組織標本のできばえにかかっているといっても過言ではない.そして診断の客観性・確実性を得るためにいくつかの補助検査も必要である.
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