増刊号 臨床血液検査
II.止血機能検査
2.検査の実際と症例の解釈
2)凝固検査
A.検査法
(5)凝固因子抗原
高橋 芳右
1
1新潟大学医学部第一内科
pp.210-215
発行日 1991年6月15日
Published Date 1991/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906517
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はじめに
各種凝固因子の測定は一般に血漿凝固時間(活性化部分トロンボプラスチン時間〔APTT〕,プロトロンビン時間〔PT〕)や発色性合成基質を用いた生物学的活性の定量として行われる.しかし凝固因子も蛋白質であり,ある臨床病態においては蛋白(抗原量)としては存在しながら,凝固活性が欠如している場合も存在する.これは凝固因子に限らず,線溶系因子および凝固・線溶阻止因子の場合も同様である.このため免疫学的手技を用いた凝固因子および関連因子の抗原測定も重要となる.
本稿では凝固因子抗原測定法の原理と手技について概説し,臨床的意義についても触れることとする.
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