トピックス
バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VRSA)
荒川 宜親
1
1国立感染症研究所細菌第二部
pp.1441-1445
発行日 2002年12月1日
Published Date 2002/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906473
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はじめに
世界中の感染症や化学療法の専門家が懸念していたバンコマイシン(vancomycin;VCM)に耐性(MIC 32μg/ml以上)を獲得した黄色ブドウ球菌(vancomycin-resistant Staphylococcus aureus;VRSA)が,ついに2002年の6月と9月に米国のミシガンとペンシルベニアで出現した(表).2株に対するVCMのMIC値は各々1,024μg/ml超と32μg/mlと報告されており,また,両株から,バンコマイシン耐性腸球菌(vancomycin-resistant Enterococci;VRE)が保有しているvanA遺伝子が確認され1,2),世界的に大きな反響を巻き起こしている.以下,VRSA出現の背景と問題点について概説する.
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