増刊号 誰でもわかる遺伝子検査
Ⅱ.各論—遺伝子検査はどういうときに必要なのか
2.技術編—遺伝子検査を活用するための知識
3)分析法/解析法
(3)ノーザンブロット・ハイブリダイゼーション法
酒井 正春
1
1北海道大学大学院医学研究科分子生化学講座分子生物学分野
pp.953-957
発行日 2002年9月15日
Published Date 2002/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906326
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はじめに
遺伝子発現の解析,すなわち特異的なmRNAの量,大きさなどを調べる最もオーソドックスな方法が「ノーザンブロット・ハイブリダイゼーション法」である.変性したRNAを変性条件下のアガロース電気泳動で分離し,フィルターに移して標識した特異的なプローブで検出する.ほぼ同様の目的で用いられるRNaseプロテクションアッセイ(リボプローブマッピング)やプライマー伸長法に比べると,RNAのサイズを調べられる点,類似のRNAやスプライスされる前の前駆体など,プローブがハイブリダイズし得るRNAの全体像を検出することができる点が長所である.検出感度はRNaseプロテクション法よりやや劣る.RNAを変性する方法によっていくつかの方法が知られているが,ここでは最もよく使われ,信頼性も高いホルムアルデヒドを用いる方法を紹介する.
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