増刊号 誰でもわかる遺伝子検査
Ⅰ.総論—遺伝子検査の基礎,基本
3.遺伝子検査の基本原理
前川 真人
1
1浜松医科大学臨床検査医学
pp.905-911
発行日 2002年9月15日
Published Date 2002/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906311
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
検査の対象
1.標的として何を用いるか,DNAとRNA
遺伝子検査という言葉ではあるが,標的として遺伝子DNAを用いるのか,遺伝子のRNAを用いるのか,いずれかが対象となる.遺伝子DNAも核ゲノムDNAとミトコンドリアDNAとが含まれる.どちらを選択するのかの基準を考えるために,それぞれの特徴を簡単に記す.
通常,遺伝子というとDNAを指す.RNAウィルスではRNAということになる.すべての細胞において,遺伝情報を伝えるのが遺伝子であり,ここからすべての命令が出ていると考えてよい.それではすべての命令に従って,それを実際に行うのは蛋白質ということになるが,蛋白質を合成させるのはRNAの役割といえる.遺伝子から転写されたRNA,メッセンジャーRNA(mRNA)は,DNAの遺伝情報をそのまま写し取った設計図として働く.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.