トピックス
さい帯血幹細胞移植
藤林 由佳
1
,
原 宏
2,3
1兵庫医科大学輸血部
2兵庫医科大学輸血学教室
3兵庫医科大学細胞移植部
pp.409-410
発行日 2002年4月1日
Published Date 2002/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906181
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はじめに
血液悪性腫瘍,先天性免疫不全症,先天性代謝異常症,造血不全症〔再生不良性貧血,ファンコニー(Fanconi)貧血,MDSなど〕などでは,従来より骨髄移植による治療が行われていた.しかし,このような移植治療を受けるには,HLAの一致した骨髄提供者が必要であり,そのために骨髄バンクが設けられ,大いに役立ってきた.しかし,骨髄バンクでは,健康な人から骨髄をいただくために,患者と提供者との間の連絡,打ち合わせ,全身麻酔の安全性確保のための検査,入院が必要であり,提供者の健康,都合が最優先されるために,移植治療の最適の時期の移植ができるとは限らなかった1).
その後,さい(臍)帯血にも相当の造血幹細胞の存在することが確認され,さい帯血を凍結保存しておけば,移植治療の最適の時期にさい帯血移植による治療が可能なことから,さい帯血の保存数が増加するにつれて,しだいにさい帯血移植が行われるようになってきた2,3).
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