特集 血液事業のトピックス―身近な献血からiPS細胞の活用まで
骨髄バンク・さい帯血バンク事業の課題と展望
齋藤 英彦
1,2
1公益法人骨髄移植推進財団
2厚生科学審議会疾病対策部会造血幹細胞移植委員会
pp.648-652
発行日 2013年8月15日
Published Date 2013/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102810
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はじめに
骨髄移植はわが国でも血縁者間では1970年代から行われてきた.しかし,血縁者にHLA(human leukocyte antigen,ヒト白血球型抗原)適合ドナーの見つからない患者の救済のために,1980年代後半から全国でボランティアが参加して「骨髄バンク」設立運動が始まった.そして1991年12月に公的骨髄バンク(骨髄移植推進財団)が設立された.その役割はドナーの安全を担保しつつ「公平性,公共性,広域性」の基本理念に基づき非血縁者である患者に骨髄を供給することである.一方,さい帯血バンクネットワークは1999年8月に臍帯血移植に必要なHLA情報の一元管理と臍帯血の公開検索など移植を公平,安全に施行するために設立された.本項ではこの2つの事業の課題と展望について述べる.
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