トピックス
Helicobacter pylori感染と虚血性心疾患
江波戸 美緒
1
,
中村 良子
1
1昭和大学藤が丘病院臨床病理科
pp.91-93
発行日 2002年1月1日
Published Date 2002/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906111
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はじめに
血管内皮傷害と炎症が動脈硬化の成立に深く関与することは,近年広く認識されてきた.これに伴い,さまざまな微生物感染症が動脈硬化の危険因子として注目されている.特にChlamydia pneumoniae,Helicobacter pyloriの2種の細菌感染およびサイトメガロウイルス(cytomegalovirus),単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus)などのヘルペスウイルス感染と虚血性心疾患,動脈硬化発症との関連は多くの研究で取り上げられてきた1).
これらの微生物の慢性感染が血管に与える直接の効果として,(1)動脈壁への感染,局所の炎症によるIL(interleukin,インターロイキン),TNF-α(tumor necrotizing factor-α,腫瘍壊死因子α),t-PA(tissue plasminogen activator,組織プラスミノゲンアクチベータ),組織因子,接着因子,MMP(matrix metalloproteinase,マトリックスメタロプロテアーゼ)などの発現の増大.
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