技術講座 病理
腎生検における蛍光抗体法
長濱 清隆
1
,
原 茂子
2
1横浜市立大学医学部病理学第2講座
2虎の門病院腎センター
pp.1069-1075
発行日 2001年8月1日
Published Date 2001/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905969
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新しい知見
遺伝性腎疾患の1つであるアルポート(Alport)症候群の原因がIV型コラーゲンの異常であることが明らかにされた.IV型コラーゲンは糸球体基底膜の構成成分の1つでα1からα6までの6種のアイソフォームがあることが知られている.このうち,最も多いのがα5鎖の異常であり,α5鎖遺伝子はX染色体上に存在するため本症候群の多くは伴性優性遺伝の遺伝形式をとる.従来,アルポート症候群の確定診断は電顕所見に頼るしかなかったが,数年前からこのα5鎖に対する抗体が市販され,蛍光抗体法でも診断ができるようになった.
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