増刊号 病理組織・細胞診のための日常染色法ガイダンス
13.金属・無機物の日常染色法
b)鉄の染色法
ベルリン青染色
金子 伸行
pp.881-883
発行日 2001年6月15日
Published Date 2001/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905921
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目的
ベルリン青染色(Berlin blue stain)は,3価の鉄イオン(組織中では主にヘモジデリン)を染色することにより鉄代謝異常などによる組織への鉄の沈着や局在を証明するのに用いられている.
体内の鉄の総量は4,000mg前後で,その2/3は赤血球ヘモグロビン(hemoglobin)やミオグロビン(myoglobin),チトクロームC(cytochrome C)など生命維持に必要なものとして存在し,残りの1/3は貯蔵鉄として組織にフェリチン(ferritin)あるいはヘモジデリン(hemosiderin)として存在している.鉄の動態としては,食餌あるいは貯蔵鉄より1日30mg程度の鉄が血清鉄となり,骨髄での赤芽球生成に利用される.また,分解された赤血球ヘモグロビン鉄などは再利用される.
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