増刊号 病理組織・細胞診のための日常染色法ガイダンス
9.中枢神経系の日常染色法
ホルツァー染色
髙椋 充
pp.828-830
発行日 2001年6月15日
Published Date 2001/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905904
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中枢神経系(central nervous system;CNS)になんらかの破壊が起こると,その修復は間葉系と星状膠細胞によって行われるが,CNSでは前者は乏しいので,後者による修復が重要となる.膠細胞性修復過程において膠線維は星状膠細胞によって産出され,破壊された組織を補う.正常でも年齢が進むにつれ,脳の部位によって見られるが,種々の病的機転,特に慢性疾患の場合,膠線維の増生(fibrous gliosis)が強く起こる.ホルツァー染色(Holzer stain)は,このような反応性に増えた星状膠細胞の突起膠線維を鮮やかに染め,病巣を明瞭に示すのが特徴である.
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