医療・保健・検査
国立多摩研究所とらい菌
川津 邦雄
1
1国立多摩研究所研究部
pp.767-770
発行日 1976年10月1日
Published Date 1976/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201182
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著者の勤務する国立多摩研究所は,癩(らい)を専門に研究する国立の試験研究機関で世界でも数少ない研究所であるが,世間にあまり知られてない.一方現在日本でのらいの発生率は低く,罹患者の多くは全国13園の国立らい療養所に入所しているため,一般病院などの臨床検査業務でらい菌を染色する機会はあまり多くない,むしろまれであろう.しかしらいの診断あるいは病勢の判断には,菌染色によるその染色性,菌の形態,菌数及びその所在などの鑑別が大きなウエートを占めている.そこで最初に国立多摩研究所と病理研究室(著者の所属)の概要を紹介し,次いでらい菌の染色に関して,著者の経験と基礎的実験や文献などを基に,現在当研究室で組織学的検索に利用している二三の方法とその問題点を述べてみたい.
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