増刊号 病理組織・細胞診のための日常染色法ガイダンス
6.組織内血液細胞の日常染色法
ナフトールAS-Dクロロアセテートエステラーゼ染色
松本 荻乃
pp.739-741
発行日 2001年6月15日
Published Date 2001/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905876
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酵素抗体法は著しく発展し,細胞の由来や分化段階を同定することが可能となり,日常検査として広く用いられるようになっている.しかし,ナフトールAS-Dクロロアセテートエステラーゼ染色(naphtol AS-D chloroacetate esterasestain;ASD stain)はレーダー(Leder)が1964年に紹介して以後,今なお有意義で,血液疾患の特殊染色の1つとして欠くべからざるものである.これは好中球系細胞(肥胖細胞も陽性を示す)に発現しているナフトールAS-Dクロロアセテートエステラーゼを染色することにより,前骨髄球以降の好中球系細胞を同定する染色である.白血病細胞がこの染色法により多少なり陽性を示せば骨髄性白血病と確認することができるし,また陽性芽球細胞の多寡で分化程度を知り,急性骨髄性白血病の亜分類も推測できる.
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