Japanese
English
研究
ナフトールAS-Dクロロアセテートエステラーゼ染色—パラローザニリン色素を使用するLi法の変法と染色性
Naphthol AS-D Chloroacetate Esterase Staining:A Modification of Li's Method Using Pararosanilin and its Staining Ability
引野 利明
1
,
福田 利夫
1
,
町並 陸生
1
Toshiaki HIKINO
1
,
Toshio FUKUDA
1
,
Rikuo MACHINAMI
1
1群馬大学医学部第2病理学教室
1The Second Dept. of Pathology, Gunma Univ. School of Medicine
pp.761-765
発行日 1986年7月15日
Published Date 1986/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913011
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
Moloneyら1)により創始された顆粒球と他の血球とを鑑別するナフトールAS-Dクロロアセテートエステラーゼ染色(以下,NASDCIEと略)の報告は多く,血球同定上きわめて重要な染色である.ファストブル—RR色素を使用するLiら2)の方法はとりわけ美麗な染色性を呈し,反応時間も短いことから,現在多く利用されている染色法の一つである.しかし,Li法ではアゾ色素によって拡散3)が生じやすく,その局在や細胞内構造がやや不明瞭となり,細胞の種類の同定に困難な点がある.パラフィン切片の染色に不可欠であるLeder法4)は反応産物の拡散が弱く,ヘマトキシリン後染色のために細胞の同定が容易であるが,染色時間が長く,染色性が一定しないという欠点がある.そこでわれわれは今回Li法について検討し,ここで用いているファストブルーRR色素をLeder法と同様のバラローザニリン色素に換えて,塗抹標本を材料として検討を行った.また,同時に固定から封入までの基礎的検討も行ったので併せて報告する.
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.