編集者への手紙
胆嚢上皮に認められたナフトールAS-Dクロロアセテートエステラーゼ活性
引野 利明
1
,
福島 辰郎
1
,
福田 利夫
1
,
町並 陸生
1
1群馬大学医学部第二病理学教室
pp.449-450
発行日 1988年4月15日
Published Date 1988/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913626
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エステラーゼ染色の中でナフトールAS-Dクロロアセテートエステラーゼ(NASDCIEと略)染色の組織内活性分布は主として好中球や肥満細胞などの血球と報告されている.
今回われわれは上記の活性分布以外でも消化管,ことに胆嚢上皮の細胞質内にはNASDCIE活性が高く存在することを認めた.この胆嚢上皮の細胞質内活性部は凍結切片ではNASDCIE染色にって比較的軽度の大小不同の赤色顆粒状物として明瞭に識別されるが,パラフィン切片ではほとんど染色されず非水溶性封入剤によっても退色されやすかった.このことは当該染色部がパラフィン切片で染色される組織内好中球の染色性とだいぶ性質の異なる染色性をもつNASD—CIEであることが推察された.そこで,若干の基礎的検討を行い,その染色性と局在について光顕的に検討した.
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