検査法の基礎理論
ナフトールAS-Dクロロアセテートエステラーゼ染色
松谷 章司
1
1虎の門病院病理科
pp.1173-1177
発行日 1989年8月1日
Published Date 1989/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205669
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
サマリー
ナフトールAS-Dクロロアセテートエステラーゼ染色の原理,染色法,染色の実際,染色結果,意義などにつき記載した.
今日,酵素抗体法により,細胞あるいは組織に局在する特定の抗原を染色することができるようになり,細胞の由来,分化段階をより細かく同定してゆくことが可能になってきた.しかし,ここに解説する酵素染色は白血病,特に骨髄性白血病細胞観察に今なお有意義な特殊染色の一つである.他の非特異エステラーゼ染色法に比して,この染色法により形成された色素は鮮やかでかつ安定性が高く,永久標本として保存可能であり,約30年余の歴史をもつこの染色法は,今日なお文字どおり"色あせていない"といえる.
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.