技術講座 病理
細胞診における免疫組織細胞化学の応用
椎名 義雄
1
1杏林大学保健学部細胞診断学
pp.331-339
発行日 2001年4月1日
Published Date 2001/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905772
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新しい知見
CSA(catalyzed signal amplification)法
細胞内の特異蛋白を免疫組織細胞化学的に証明する際,それをより高感度に可視化する方法が普及している.その中でもCSA法は通常の免疫組織細胞化学に応用されている方法の50〜200倍の高感度であるがゆえ,非特異的な反応を拾いやすいことを理解しなければならない.したがって,本法を応用するにあたり,「いかなる目的で」,「いかなる抗体で」,「いかなる方法で」,そして「その結果をいかに評価するか」の鉄則を十分考慮しなければならない,つまり,抗原量が微量で他の検出方法では検出し難いものに限る,精製度の高い抗体(またはプローブ)を用いる,内因性酵素活性を完全にブロックする,過度の抗原賦活を行わない,十分な洗浄を行う,そしてしっかりとした陽・陰性のコントロールを立てる,などの最低限の条件を守ることが大切である.超高感度法を生かすも殺すも応用する側の知識と技術にかかっている.
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