検査データを考える
高クロール血症
桑 克彦
1
1築波大学医療技術短期大学部
pp.285-287
発行日 2001年3月1日
Published Date 2001/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905763
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はじめに
血清あるいは血漿中のクロール(Cl)濃度は,ナトリウム(Na)およびカリウム(K)とともに電解質検査としてセットで測定される.しかし,臨床的には血清Clの異常自体が症状を呈することはないが,生体の酸-塩基平衡を知る1つの指標としては極めて重要である.
生体内には平均33mmol/kg体市でClが存在する.その分布は血漿に13.6%,組織間液に37.3%,結合組織内に17.0%,骨に15.2%,体腔液に4.5%,細胞内に12.4%の割合である.すなわち,その約90%は細胞外液に存在している.図1に細胞外液の代表である血清中の電解質組成を示した.血清中の陽イオンの大部分はNaである.また,陰イオンはClが最大であり,ついで重炭酸(HCO3),蛋白である.
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