Laboratory Practice 病理 細胞像からここまでわかる
呼吸器(2) 扁平上皮癌
堀内 啓
1
,
荒井 政和
1
,
松谷 章司
1
1NTT東日本関東病院病理診断科
pp.1152-1154
発行日 2000年8月1日
Published Date 2000/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905582
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臨床的特徴
肺の扁平上皮癌は50〜60歳台に好発し,男性に多い.好発部位は肺門部近傍の中枢部だが,わずかではあるが未梢肺野に発生する例もある.女性では,末梢肺野に発生する場合が多い.他の組織型の肺癌に比べて,転移率はやや低い.重要な初発症状に血痰がある.危険因子には,喫煙がよく知られている.また,職業性肺癌としてクロム肺癌がある.扁平上皮癌では,ときに高カルシウム血症を伴うことがある.これは,腫瘍が副甲状腺ホルモン関連蛋白(PTH related protein)を産生するためである.放射線および化学療法は比較的有効とされている.
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