増刊号 血液検査実践マニュアル
Part 8 遺伝子関連検査
2.遺伝子検査
3)検査の実際
横田 浩充
1
,
北村 聖
2
1東京大学医学部附属病院検査部
2東京大学医学部臨床検査医学講座
pp.951-953
発行日 2000年6月15日
Published Date 2000/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905527
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はじめに
近年,白血病の治療は化学療法や骨髄移植などの技術的進歩に伴い,従来の光学顕微鏡による診断法では検出できない微小残存白血病細胞(minimal residual disease;MRD)の検出が必要となっている.光学顕微鏡では百ないし数百に1個の確率でしか白血病細胞を検出しえないが,PCR法を用いた遺伝子検査では白血病の各病型に特徴的なキメラ遺伝子を検出することで,104〜106細胞に1個の高感度で白血病細胞を検出しうる.このように高感度にMRDをとらえることで,化学療法や骨髄移植後の治療効果確認,自己骨髄移植における腫瘍細胞混入の有無,予後の推定や再発予知に役立てるのがこの検査の目的である.
本稿では,保険適応のあるPCR法を用いた転座型白血病の遺伝子検査について,検査の実際を概説する.
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