増刊号 血液検査実践マニュアル
Part 3 血球形態検査
1.末梢血検査
3)染色法 a)普通染色
亀井 喜恵子
1
1日本大学医学部附属板橋病院臨床検査部血液検査室
pp.731-735
発行日 2000年6月15日
Published Date 2000/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905438
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はじめに
血液細胞は塗抹標本を作製しただけでは観察不可能で,血液細胞各々の性質を利用した染色を行い初めて観察・鑑別が可能となる.現在,血液細胞全般を染色する染色法を普通染色または一般染色と呼んでいる.広く使われている普通染色はロマノフスキー(Romanowsky)染色と総称されギムザ(Giemsa)染色,ライト(Wright)染色,ライト・ギムザ(Wright-Giemsa)染色,メイ・ギムザ(May-Giemsa)染色がある.その他,緊急の場合に便利なフィールド染色などがある.各々の染色には特徴があるので,最も細胞観察がしやすい染色法を選択することも大切である.いかに細胞鑑別に自信のある技師でも染色不良の標本では鑑別に苦慮するし,時間もかかりすぎ,仕事がスムーズに進まなくなる.
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