技術講座 微生物
グリコペプタイド耐性菌と検査法
小森 敏明
1
,
藤田 直久
2
,
池 康嘉
3
1京都府立医科大学臨床検査部
2京都府立医科大学臨床検査医学教室
3群馬大学医学部微生物学教室
pp.1471-1479
発行日 1999年12月1日
Published Date 1999/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543904030
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新しい知見
耐性菌が全世界的に問題になっている.その中でもグリコペプタイド耐性菌が注目されている.グリコペプタイド系抗生物質の1つであるバンコマイシン(VCM)は,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の特効薬として注目され,最後の切り札と呼ばれてきたが,近年,耐性を持った細菌が出現してきた.その細菌とは腸球菌とブドウ球菌である.VCMに耐性を持った腸球菌は欧米では院内感染原因菌として急増している.また,MRSAにもVCM治療に対して耐性を持った株が見つかっている.わが国においてもグリコペプタイド耐性菌が散見されるようになり,耐性菌の発見が遅れると院内感染が拡大する恐れがある.迅速かつ正確な同定と報告が必要になってきている.
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