技術解説
結核菌の薬剤耐性検査—特に間接法について
工藤 祐是
1,2
1結核予防会結核研究所
2付属療養所臨床検査科
pp.791-796
発行日 1968年11月15日
Published Date 1968/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916511
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結核症の臨床検査のうちでも,薬剤感受性試験(以下,耐性検査と呼ぶ)は,今後ますますその重要性が増すに違いない.このところ抗結核薬の種類は急にふえ,10種を越えるが,まだまだ新顔がげ登場しそうな形勢にある。しかも結核菌は耐性になりやすい細菌で,耐性菌をもつ患者はふえる一方である。当然,耐性検査により,有効な薬剤を選ぶことが治療の前提となる。また耐性菌による感染の問題も決して軽視できない。今や,患者から結核菌を検出した場合,薬剤投与とは無関係に,主な抗結核薬について耐性検査を行なうのが常識となっている。
現在,わが国で最も広く用いられている日常検査法は,結核菌検査指針1)に記載されている方式であろう。これは卵培地を用いる希釈法であるが,世界的にも培地こそ異なるが,ほぼ同じような方法が圧倒的に多く採用されている。欧米の一部では,血清やアルブミン入りの寒天培地も用いられているが,液体培地は臨床検査にはほとんど使われていない。また結核菌の耐性検査は大部分が希釈法によって行なわれ,拡散法は日本やドイツのごく一部で用いられているにすぎない。
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