トピックス
組織標本からの三次元モデル構築
雑賀 興慶
1
,
小野 久子
1
,
守安 岳征
1
,
大森 康旨
1
,
西村 知己
1
,
山本 雅子
1
1大津赤十字病院病理部
pp.1343-1345
発行日 1999年10月1日
Published Date 1999/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543904003
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はじめに
病理形態学を一生の仕事として選択した形態学者にとって,これまでの1つの大きな夢,それは病理組織顕微鏡標本から組織の立体構造をなんらかの方法で知ることであった.顕微鏡形態学が生体臓器の機能の理解に大変重要な役割を果たしてきたことは周知のとおりである.しかし,平面的な組織構造だけでは,観察対象の真の立体的な姿は想像でしか知ることができず,痒いところに手が届かない歯痒さを常に感じてきた.このような顕微鏡形態学の欠点を補うため,数理統計学を基盤とした計量形態学の研究・開発が進められてきた1).しかし,理論の難解さ,モデルの妥当性の検証の困難さ,さらに計測に要する労力の大きさなどの種々の要因が重なって,一般の病院病理のルチン検査として実施することは困難であった.
最近のコンピュータグラフィックスの進歩はこれらの問題点を一挙に解決した.
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