オピニオン
超音波検査士への期待と将来展望
遠田 栄一
1
1三井記念病院中央検査部
pp.1084
発行日 1999年8月1日
Published Date 1999/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903947
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1985年に第1回目の試験が実施された超音波検査士認定制度も今年で14年目を迎え,臨床検査技師の間ではすっかり定着した感がある.超音波検査の普及に伴う件数増加と生き残りを意識した先行投資も手伝ってか,受験者の数は年々増加の一途を辿っており,既資格取得者は4,000名を超えようとしている.
超音波検査士認定制度は,日本超音波医学会が超音波検査の優れた技能を有するコメディカルスタッフを専門の検査士として認定・公示することを目的に設立された.学会が“検査士”に求めているのは超音波検査の実務能力,すなわち実際に探触子を操作して検査を行い,その所見を報告書として作成できる十分な知識・技術能力であり,膨大な検査件数をこなすための労働要員として期待しているわけではないとのことである.しかし,検査室を取り巻く環境の悪化に伴い,アルバイトを目的に資格取得を目指す輩も一部にはいると聞く.実技試験がないため,技能を正確に判定できない試験制度にも問題があるが,取得者側が襟を正さないと,せっかくの制度も有名無実となる可能性がある.
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