増刊号 緊急検査実践マニュアル
各論
6.一般検査
4)穿刺液 b)腹水 技術編
久保田 力
1
1奈良県立医科大学附属病院中央臨床検査部
pp.940-942
発行日 1999年6月15日
Published Date 1999/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903918
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腹水検査の実施状況
採取された腹水は,一般検査を中心に生化学的検査のほか細菌検査や細胞学的検査が行われているが,EIA(enzyme immunoassay)法などの分析法の進歩とともに,腫瘍マーカーの測定も一般化してきている.一般検査は,一般性状検査を中心に漏出液・滲出液の鑑別を目的とするが,検体の不安定さから腹水採取後直ちに検査する必要がある.生化学検査も自動分析装置の飛躍的な機能向上で迅速検査への対応が容易となり,一般検査とほぼ同様な所要時間内にデータを提供できるまでになってきている.一般性状の詳細な肉眼的観察により,細菌検査や細胞学的検査成績は予測が可能な場合もあり,腹水検査の中で重要な位置を占めている(表1).
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