増刊号 緊急検査実践マニュアル
各論
6.一般検査
4)穿刺液 b)腹水 臨床編
中野 博
1
1公立豊岡病院
pp.943-944
発行日 1999年6月15日
Published Date 1999/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903919
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検査の目的
腹水の診断は,視診による蛙腹様の腹部緊満状態の存在,打診,触診による腹水の波動,体位変換に伴う腹水濁音界の変動の証明などで臨床的に診断するが,エコー,CTなどの画像診断はより確実な証明方法である.腹水の主な成因としては肝硬変,腹膜炎,心不全,門脈血栓症などのほか,飢餓・ネフローゼなどの低蛋白血症などがある.また,まれではあるが慢性膵炎,膵の仮性嚢胞に混濁,ときに乳び状の腹水が見られることがある.
いずれにしても異なる病態により腹水の性状が異なるため,穿刺して得られる腹水について検査を行う必要がある.
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