増刊号 緊急検査実践マニュアル
各論
1.生化学検査
12)CRP 技術編
亀子 光明
1
1長野市民病院臨床検査科
pp.748-750
発行日 1999年6月15日
Published Date 1999/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903845
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
測定方法と原理
CRPに関する代表的な測定方法,原理,測定レンジ,抗体の種類,標準品などを表1に示す.TIA法(turbidimetric immunoassay,免疫比濁法)やLAIA法(latex agglutination immunoassay,ラテックス凝集比濁法)によるCRP測定は,生化学用自動分析装置(汎用機種)を用いることにより,生化学項目と同時に測定が可能なため,多くの検査室に導入されており,最近は高感度アッセイを目的としてLAIA法に切り変える施設も増えている.しかし,透過光の変化(濁度変化)を吸光度変化としてとらえる汎用機種を用いたこの測定方法では,専用機種に比べ原理的に測定感度,測定精度が劣ることが指摘されている1,2).一般にTIA法では0.2〜0.5mg/dl付近,LAIA法では0.1〜0.2mg/dl付近が測定可能な濃度と考えられる.最近のLAIA法に関する報告では,検出感度3)が0.03mg/dl付近まで可能とするパンフレットが何社かに見受けられるが,実効感度を考えるうえで2),汎用機種による測定では0.1mg/dl付近が妥当な濃度と考えられる.
最近の新しい方法として,専用機種を用いたFIA法(fluorescent immunoassay,蛍光免疫測定法)が開発されている.この測定法は感度もよく緊急検査として適するが,処理能力的に多量検体処理には不向きである.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.