けんさアラカルト
乾燥濾紙血を用いたペプシノゲン(血液検査項目)の測定
鈴木 明
1
1(社)半田市医師会健康管理センター臨床検査事業部
pp.476-477
発行日 1999年5月1日
Published Date 1999/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903779
- 有料閲覧
- 文献概要
はじめに
従来から濾紙血による検査は小児のクレチン病などの発見に用いられてきていましたが,近年は形を変え,また受診者の手間を省くために,広域に郵送検診として行われるようになってきました.今まで一般的に行われてきた検査項目は,肺がん(喀痰)検査,子宮がん検査,大腸がん(便潜血)検査など,検査材料として自己採取が可能な検査項目に限られ,血液による検査項目については行われていませんでした.しかし,近年では分析技術の進歩により,かなり微量の血液で検査が可能となったこともあり,濾紙に浸み込ませた血液を抽出し検査することが検討され,一部ではすでに実用化されています.受診者自身が指頭採血を行い,濾紙に血液を浸み込ませ,これをサンプルとして検査機関に郵送する方法です.現在,当センターでは濾紙血での検査項目としてペプシノゲン(PG:胃がん検査),PSA(前立腺がん検査),HbA1c(糖尿病検査),HBs抗原・HCV抗体(肝炎検査)をはじめとして,スクリーニングとして価値のある検査項目の検討を行っています.
本稿では当センターが乾燥濾紙血を用いた検査として最初に検討を行ったPGの測定についての測定方法および検討内容について紹介します.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.